共謀罪って何? - つきのみや法律事務所|埼玉県さいたま市の弁護士

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共謀罪って何?

2017年3月 2日 15:35|つきのみや法律事務所|記事URLコメント(0)トラックバック(0)

 皆さん、共謀罪って聞いたことがありますか?

 最近、政府は、オリンピック開催のためには共謀罪(正確にはテロ等準備罪)の成立が不可欠だと息巻いています。テロに負けない、安全な環境が必要なんだとか…
 ところで、この共謀罪(テロ等準備罪)とは何なのでしょうか。「テロ」と書いてあるので、私達には関係ないのでしょうか。菅官房長官は、「一般の方々が対象になることはあり得ない」と説明していますが、本当にそうなのでしょうか。
 実はそうとも限りません。

 まず、共謀罪の主体は、「組織的犯罪集団」と規定されてはいますが、犯罪を計画しさえすれば、「組織的犯罪集団」が成立するので、企業や住民団体、労働組合であっても対象になり得ます。ですので、一般の方々も対象になり得るのです。
 そして、処罰の対象になる「共謀」というのは、犯罪の実行を合意することで、意気投合することで十分と言われています。政府は、「目くばせ」でも成立すると言っています。共謀罪の成立の要件は、ナントこれだけです。
 もっとも、共謀罪として「処罰」するためには犯罪実行に向けた「準備行為」が必要になりますが、「準備行為」の内容に限定はなく、メモを残したり、ATMからお金を下ろす程度であっても準備行為とされる可能性があるのです。
 そして、共謀罪が適用される犯罪は、窃盗、傷害、収賄、詐欺、監禁など幅広く600を超えます(200数十程度に減らすことが議論されていますが、それでも沢山あります。)。私達がイメージしているような、いわゆる「テロ」に限定されていないのです。

 ここまで、共謀罪について説明してみましたが、これではイメージが湧きませんね。具体例を考えてみましょう。

①ケース1
 「A君の嫌がらせ・解雇は許されない。会社の前で抗議行動をしよう!」「そうしよう。」
    →組織的威力業務妨害の共謀罪が成立するかもしれません。メモを取っていたりすると処罰もされます(2年以下の懲役・禁錮)。
②ケース2
 「会社の経営が良くないらしい。倒産になる前に、会社や社長に退職金の支払いを確約させよう。」「徹夜団交も辞さない構えで行くべきだろう。」「そうだ。」
    →監禁の共謀罪が成立するかもしれません。更に、「団結ガンバロー」とシュプレヒコールをすると処罰もされかねません(2年以下の懲役・禁錮)

 こんなことが起こるかもしれません。本来、刑罰はやってはいけないことの「結果」が生じたときだけに課されるのが原則ですが、これから犯罪が起きる「かもしれない」段階での処罰を許すわけですから、国民は捕まってしまうことを恐れて何もできなくなってしまいます。
 こんな共謀罪、皆さんはどう思われますか?
                      (弁護士 上  田    裕)

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