「働き方改革」って、本当に大丈夫? - つきのみや法律事務所|埼玉県さいたま市の弁護士

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「働き方改革」って、本当に大丈夫?

2018年5月14日 13:25|つきのみや法律事務所|記事URLコメント(0)トラックバック(0)

皆さんは、安倍政権が進めている「働き方改革」の内容をご存じでしょうか?
改革というくらいだから、良くなるのではと漫然お考えになっていませんか?
実は、中身はかなり危険なものになっていますので、ご紹介します。

働き方改革関連法案は、既に国会に提出されていて、5月1日から審議が始まっています。
確かに、労働時間の上限を設けて、罰則付で規制するという試み自体は良いと思います。しかし、臨時的に業務量が増加する場合には、一月に最大で100時間もの残業を認めるという例外が設けられています。1ヶ月で100時間の残業というのは、それだけで過労死する水準の残業時間です。これで、働き方が改善するのでしょうか。

これだけではありません。法案の中には、高度プロフェッショナル制度という新たな制度が盛り込まれていて、これに該当する人は、労働時間についての規制(1日8時間、週40時間の労働時間規制、休憩時間の規制、残業についての割増賃金の支払義務等)が全く無くなってしまいます。場合よっては、24時間働くことも合法となります。
対象となる労働者ですが、多くの方が、「自分には関係無い」と思っていらっしゃるかもしれませんが、実はそうでもなさそうです。
確かに、高度に専門知識等が必要で、労働時間と成果との関連性が高くない業務に従事する人が対象となっていますが、具体的な特定はされていません。厚生労働省が今後定めるので、今後、対象がいくらでも広がる可能性があります。普通に仕事をしていれば、何かしらの専門的な知識を持つことになりますね。それが高度に専門的だと評価されてしまえば、誰でも対象になってしまうかもしれません。
また、年収要件が、現在は1075万円(平均賃金の3倍)などと言われていますが、経団連はかつて、年収400万円とすべきだと提言していましたので、将来この年収要件が下げられる可能性は十分に考えられます。
つまり、この法律が成立してしまうと、将来的には、多くの方に、高度プロフェッショナル制度が適用され、残業代無しで働かされ放題ということになりかねません。

果たして、このような法律改正が、皆さんの働き方をよくするのでしょうか?
人ごとではなく、「明日は我が身」なのではないでしょうか。

この働き方改革については、日本弁護士連合会も埼玉弁護士会も反対しています。
https://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2018/180308.html
https://www.saiben.or.jp/proclamation/view/450
https://www.saiben.or.jp/proclamation/view/293

また、私が所属している日本労働弁護団でも、この「働き方改革」について反対しています。5月22日に、日比谷野外音楽堂で反対集会を行いますので、興味のある方は、是非、ご参加ください。
http://roudou-bengodan.org/topics/6741/

弁護士 上田 裕

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