養育費,このままでいいの? 〜新算定表活用のすすめ・その1 - つきのみや法律事務所|埼玉県さいたま市の弁護士

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養育費,このままでいいの? 〜新算定表活用のすすめ・その1

2018年12月12日 13:21|つきのみや法律事務所|記事URLコメント(0)トラックバック(0)

前回までのブログでは,養育費の金額を決める際の重要な資料である「算定表」の見方について,夫婦の収入源が何であるかによってケースを分けて説明してきました。
現時点での家庭裁判所の実務(家庭裁判所でどのように養育費を決めているか)が分かったところで,今回からは,現在の算定表の問題点を解説していこうと思います。
その上で,それらの問題点を可能な限りクリアした「新算定表」(日本弁護士連合会が2016年11月に発表した新しい算定表)をご紹介したいと思います。

 現在の算定表で養育費を計算した時,ほとんどの方は,「こんな金額じゃ,子どもを育てられるわけない!」と思うのではないでしょうか。私もそう思います。
では,なぜ,そんな金額が算定されることになるのでしょうか。

法律上,養育費の支払い義務は,「子どもを育てるのに必要な全ての費用を負担する義務」ではありません。
養育費の支払い義務は,「生活保持義務」=自分の生活を維持するのと同程度の生活を子どもにも維持させる義務 であるとされています。
養育費の支払い義務を負う親(子どもとは一緒に暮らさない親)にも,その親自身の生活があり,それぞれの収入に見合った生活費が必ずかかります。養育費は,養育費の支払い義務を負う親自身にかかる生活費を考慮した上で,親の生活レベルと同程度の生活レベルを子どもに保障しましょう,という考え方に基づいて計算されるのです。

現代の子育てには,習い事や塾代,携帯電話代…。本当にいろいろな費用がかかりますよね。
けれど,残念ながら,養育費の支払いは,子どもを育てるのに必要な費用の全額を保障するために行われるのではなく,養育費の支払い義務を負う親自身の生活費を考慮した上で,親の生活レベルと同程度の生活レベルを子どもに保障するために行われるものなのです。
養育費の支払い義務を負う親自身が生活できなくなってしまっては,養育費の支払いが止まってしまうことになりますから,親の生活レベルや親自身の生活費が考慮されるのはやむを得ないことです。

では,現在の養育費の算定(算定表)において,「養育費の支払い義務を負う親自身の生活費」や「親の生活レベル」は,適切に考慮されているのでしょうか。
現在の算定表は,ここに大きな問題点があります。
養育費を支払う側の生活費が多めに考慮され,子どもを育てている側の負担が十分に考慮されていない。これが現在の算定表の大きな問題点です。

次回以降,この問題点をかみ砕いて説明していこうと思います。

(弁護士 伊東結子)

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