離婚 - つきのみや法律事務所|埼玉県さいたま市の弁護士

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離婚

有責配偶者からの婚姻費用分担請求③

2017年7月 4日 09:35|つきのみや法律事務所|記事URLコメント(0)トラックバック(0)

 本年5月31日の記事(有責配偶者からの婚姻費用分担請求②)の続きです。

 前回は,養育費相当額を認めた判決,一切の請求を認めなかった判決(未成年者がいる場合に養育費相当額を認めるか否かは不明)をご紹介しました。

↓こちらの決定も,養育費相当額のみを認めています。
(東京家庭裁判所平成20年7月31日審判)。
「別居の原因は主として申立人である妻の不貞行為にあるというベきところ,申立人は別居を強行し別居生活が継続しているのであって,このような場合にあっては,申立人は,自身の生活費に当たる分の婚姻費用分担請求は権利の濫用として許されず,ただ同居の未成年の子の実質的監護費用を婚姻費用の分担として請求しうるにとどまるものと解するのが相当である。」

 今回の大阪高裁のケース(大阪高裁平成28年3月17日決定【判例時報2321号36頁】)では,奥さんと男性の間のソーシャルネットワークサービスのやりとりに関し,第一審の裁判所はこのやりとりから不貞関係にあったものとは認められないとしたようですが,大阪高裁では「不貞関係にあったことが十分推認される」としています。
 奥さんと男性のやりとりの内容が明らかでないため,事実認定の論評はできませんが,同じメールであっても,裁判官ごとにその評価が分かれているという点は興味深いですね。

 ただ,婚姻費用分担の審判においては,当面必要な生活費を簡易迅速に定めることが求められていますので,不貞について精密に審理して判断を下すと必然的に裁判が遅れることになるので,時間をかけることは相当でないと考えられているようです(なお,実際の審判においては,事実上ある程度の金額を毎月払わせているケースが多いと思います。)。
(弁護士 若狹美道)

有責配偶者からの婚姻費用分担請求②

2017年5月31日 09:41|つきのみや法律事務所|記事URLコメント(0)トラックバック(0)

 本年4月19日の記事(有責配偶者からの婚姻費用分担請求①)の続きです。

前回は,養育費相当額だけでなく,配偶者の最低生活維持費も認めた判決をご紹介しました。

↓こちらの決定は本決定同様,養育費相当額のみを認めています。

(東京高裁昭和58年12月16日決定)
「民法760条,752条に照らせば,婚姻が事実上破綻して別居生活に入つたとしても,離婚しないかぎりは夫婦は互に婚姻費用分担の義務があるというべきであるが,夫婦の一方が他方の意思に反して別居を強行し,その後同居の要請にも全く耳を藉さず,かつみずから同居生活回復のための真摯な努力を全く行わず,そのために別居生活が継続し,しかも右別居をやむを得ないとするような事情が認められない場合には,前記各法条の趣旨に照らしても,少なくとも自分自身の生活費にあたる分についての婚姻費用分担請求は権利の濫用として許されず,ただ,同居の未成年の子の実質的監護費用を婚姻費用の分担として請求しうるにとどまるというべきである。そして,右認定事実によれば,相手方は抗告人の意思に反して別居を強行し,その後の抗告人の再三の話合いの要請にも全く応ぜず,かつみずからは全く同居生活回復の努力を行わず,しかも右別居についてやむを得ない事情があるとは到底いいがたい状態で10年以上経過してから本件婚姻費用分担の申立をしたものと評価すべきであるから,自己の生活費を婚姻費用の分担として抗告人に請求するのは,まさに権利の濫用であつて許されず,ただ相手方と同居する長女敦子,二女知子の実質的監護費用だけを婚姻費用の分担として抗告人に請求しうるにとどまるというべきである。」

↓こちらの決定は,一切の請求を認めていません(未成年者がいる場合に養育費相当額を認める趣旨かどうかは不明です。)

(福岡高裁宮崎支部平成17年3月15日決定)
「相手方は,Fと不貞に及び,これを維持継続したことにより本件婚姻関係が破綻したものというべきであり,これにつき相手方は,有責配偶者であり,その相手方から婚姻関係が破綻したものとして抗告人に対して離婚訴訟を提起して離婚を求めるということは,一組の男女の永続的な精神的,経済的及び性的な紐帯である婚姻共同生活体が崩壊し,最早,夫婦間の具体的同居協力扶助の義務が喪失したことを自認することに他ならないのであるから,このような相手方から抗告人に対して,婚姻費用の分担を求めることは信義則に照らして許されないものと解するのが相当である。」

(続く)


(弁護士 若狹 美道)

有責配偶者からの婚姻費用分担請求①

2017年4月19日 15:00|つきのみや法律事務所|記事URLコメント(0)トラックバック(0)

 大阪高等裁判所において,相手方の不貞行為を認定した上で,相手方の抗告人対する婚姻費用分担の請求は,信義則あるいは権利濫用の見地から,子らの養育費相当分に限って認められるべきであるとした裁判所の決定が出ています(大阪高裁平成28年3月17日決定【判例時報2321号36頁】)。


  この判断自体,珍しいものではなく,同様の判断が多数あります。

↓こちらの決定は、養育費相当分に限定するのではなく、配偶者の最低生活維持費を認めています。

(札幌高裁昭和50年6月30日決定)
「夫婦間の前記扶助義務は,夫婦が互いにその生活全般にわたつて協力義務をつくすことを前提とし,いわば右協力義務と右扶助義務とは不即不離の相関関係にあるものと考えられるところ,婚姻関係の破綻につき専ら,若しくは主として責を負うべき者は,相手方に対し右協力義務をつくしていないものというべきであるから,その者が,右協力義務をつくさずして,相手方に対し,相手方と同一程度の生活を保持できることを内容とする扶助義務,ないし婚姻費用分担の履行を求めることは権利の濫用として許されないものといわなければならない。
しかしながら,たとえ前記のとおり婚姻関係が破綻していても,夫婦は,正式に離婚が成立しないかぎり,あくまでも夫婦としての地位を有するものであつて,その間を夫婦でない他人間の関係と同様に律つするわけにはいかないのであるから,夫婦であるかぎりその一方が生に困窮している場合に他方は,いかなる理由があるにせよこれを放置すべきでないというべきである。
そうだとすれば,右破綻につき責を有しない者も,夫婦であるかぎり,右破綻につき責を負う者に対し,少くともその者の最低生活を維持させる程度の扶助義務を負うものと解するを相当とする。
してみれば,婚姻関係の破綻につき専ら,若しくは主として責を負う者に対する他方の扶助義務ないいし婚姻費用分担の程度は,軽減せられ,右破綻につき専ら,若しくは主として責を負う者の最低生活を維持させるに必要な程度をもつて足りるものといわなければならない。」


他にもありますので,次回またご紹介したいと思います。

(弁護士 若狹 美道)

婚姻費用の請求

2014年7月 4日 16:29|つきのみや法律事務所|記事URLコメント(0)トラックバック(0)

 離婚事件などで問題となりうるのが「婚姻費用」略して「婚費(こんぴ)」と呼ばれる問題です。

例えば,すでに夫婦が別居している場合,収入のない妻(又は夫)が,収入のある相手方に対し,離婚するまでの間,婚姻費用の分担を求めることができます。
これは,夫婦は相互に扶助義務があり,相手方に対し,生活保持義務を負っていると考えられているためです。

では,いくら請求できるのでしょうか?
家庭裁判所においては,概ね一定の「算定表」に従い,夫婦の収入,子供の年齢・数に応じて決められます。

ただ,ご注意いただきたいことがあります。
婚姻費用は,家庭裁判所に婚姻費用分担の調停・審判を申し立てた後の分からの請求が認められるというのが実務上の取扱いとなっており,原則として過去の婚姻費用は請求できないとされています(例外的に,財産分与における一事情として考慮されることもあります)。

モラルハラスメントによる離婚

2014年5月 2日 16:13|つきのみや法律事務所|記事URLコメント(0)トラックバック(0)

最近は離婚の相談も増えています。
その中でも、モラルハラスメントによって、離婚を考えているという方もいらっしゃいます。

モラルハラスメントは、精神的嫌がらせのことです。
しかしながら、相談者の方がモラルハラスメントを受けていても、DVとは違い、目には見えないことであり、家庭内のことだから相談しにくく、また、被害者であることを認識するまでに時間がかかることもあります。

離婚自体は考えていなくても、相談することで悩みが解決するかもしれません。
相談だけでもお受けしていますので、一度話にいらしてみてください。

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